月経の異常

「働く女性の8割以上が生理痛(月経困難症)やPMS(月経前症候群)による仕事への影響を感じている(出典:ルナルナ)」、「生理痛やPMSなどの月経の異常による労働力の低下による経済的損失は年間6828億円と試算している(出典:バイエル薬品)」と言われています。今や「生理」は女性や社会にとって大きな負担となっています。当院は「生理」に真摯に向き合い、一人一人にあった治療方法を提案しています。

生理(月経)とは、子宮の内側を覆っている膜(子宮内膜)が剥がれ落ち、それに伴い出血が起きる現象です。子宮内膜とは、妊娠すると胎盤に変化します。そのため生理は妊娠へ向けた大切な現象とも捉えられますが、妊娠をすぐ望まない時には、学業や就労に多大な負担となる場合があります。
月経の目安としては、月経の開始12歳ころ、周期25 〜38日、持続日数3 〜7日以内とされています。月経量については測定が難しく、ナプキンを換える頻度が目安になる場合があります。それぞれ、遅く始まったり、量が多かったり、少なかったり、周期が乱れたり、また痛みが強い時には、少なからず病気が隠れていることがあります。
月経困難症(生理痛)、月経前症候群(PMS)、過多月経では、学業や就業への負担も多いですが、将来の妊娠への影響もあります。また、原因には甲状腺や下垂体腺腫などのホルモン異常を引き起こす病気、子宮筋腫、子宮内膜症、卵巣嚢腫、子宮奇形、子宮がんといった隠れた病気が見つかることがあります。子宮がん検診、血液検査や超音波検査、MRI検査などを受けることができます。
日本では、まだまだ相談しにくい現状がありますが、当院には女性医師もおりますし、ご家族からのご相談もよく受けております。お一人で悩まず、まずはご相談ください。
月経の異常の治療法としては、一般的には、鎮痛薬やホルモン治療、漢方薬などの薬物療法が行われます。ホルモン治療は、月経の周期や量を調整したり、月経痛やPMSの症状を緩和したりする効果がありますが、副作用や禁忌症もあります。年齢や妊娠希望、基礎疾患などによって適切な方法が異なりますので、当院の医師と相談して決めてください。
例えば、10代の月経痛にみられる月経前から始まる間欠的な痛みには、女性ホルモンを使用しなくても、普段使用される痛み止めに漢方や鎮痙薬を併用することで、効果を認める場合があります。負担の少ない、継続可能な治療法を一緒に考えていきましょう。
ホルモン治療については、現在様々選択肢があり、その多くは保険適応となり経済的な負担も減っています。
痛みをはじめとした不快な症状に悩むことなく充実した毎日を送っていただくことを願っています。

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