(参考)分娩体位の変遷
1.分娩体位の意義等
分娩時の体位を歴史的にみると、体幹立位(upright position)と水平(neutral position)に大別出来る。
産婦及び近代産科学から見た理想的な分娩体位が、最近特に注目されている分野の一つである。
近年、体幹立位が自然体位への復帰化の中で再評価されようとしている。
この問題は、分娩時の生理学的・心理学的要素を考慮しながら、母体・胎児側より分娩現象を、より安全かつ容易に遂行しようとする時代的な要求といえる。
現在、最も多く採用されている仰臥砕石位(lithotomy position)は、多くの長所を有しているが、歴史的背景より分娩体位を再考し、現行の習慣的な強制体位がどのように形成されてきたかを理解することは、分娩時体位の本質的な流れを生み出す、一つの鍵を与えることとなった。